YAMAHA MU1000のエフェクト、音色、設定について

主に、今となってはすっかり古くなったYAMAHA MU1000(MU2000.MU500などXG音源)で打ち込みをする際に、知っておくと便利だったりすることを書き連ねていきます。ですので他の音源では全く通用しない方法を書いていたりします。

リバーブの設定

音の反響(残響、少し意味が違いますがエコーとも)の設定です。

まずは、各楽器のセンド(送り量)を確認します。多くの場合で、ベースやキックをリバーブにセンドすると、低音がモコモコして上手く混ざらなくなります。

何故かプリセットはすべてDiffusionが10に設定されているので、5に設定しなおしておくと調整しやすいです。

設定できるパラメータ

MU1000でのリバーブの設定例

MU1000でのリバーブの設定例。Difussionは5がおススメ。

  • Reverb Time
    • リバーブの長さ
    • 場所の大きさと比例して大きくなります。1.9-2.1(ms)ぐらいをよく使います
  • Diffusion
    • リバーブ音の左右への広がりの大きさ。値が大きくなるほど広がります。デフォルトは10
    • 初期値は10ですが、これではリバーブ音が散ってしまい、残響感を感じにくくなってしまいます
    • 5ぐらいが適切。0にすると、同じ定位(パン)にリバーブ音が付加されます
  • Initial Delay
    • 初期反射音までのディレイタイム
    • 初期反射音に送っている量にもよりますが、短く(8ms前後)するとリバーブ感が薄く、長く(11ms前後)にすると、リバーブ感が出る感じになります
    • 曲全体が休符になる部分や、曲の終わりでリバーブ音が聞こえやすい部分があると調整しやすいです
  • HPF Cutoff
    • 低域のリバーブ音のカットします。プリセットは32Hz-80Hz辺りです
    • 100Hz-180Hzぐらいまでカットしてやると、低音がスッキリして聴きやすくなります
    • キックとベースにリバーブを送らない場合でも、ある程度HPFを入れないと低音がゴワゴワしてしまいます。
  • LPF Cutoff
    • 高域のリバーブ音をカット
    • ホールなどなら4kHzぐらい。スタジオなら6kHz、体育館みたいなのだと10kHz辺りでもいける感じ。壁や床が硬そうなところは高めの値にしてみると良い。High Dampと合わせて調整
  • High Damp
    • 高域の減衰の調整。(値が小さいとき高域が速く減衰する)
    • 0.6-0.8ぐらいをよく使います
  • Er/Rev Balance
    • 初期反射音とリバーブ音のバランス
    • HALL1の初期値E14>Rでだいたい問題ない
    • リバーブの調整途中にRevに振り切ってみると、HPF、LPF、High Dampの感じが分かりやすいので使ってみるとよいです
    • 反対にErに振り切ってみると、初期反射(Initial Delay)が分かりやすくなり、リバーブがモコモコの原因になっている場合にセンドを下げるかどうかの判断ができます
  • Density反射音の密度。
    • 初期値の4で問題ないです。0だとディレイと同様の動作になるので、後述のスーパーファミコンのような音場を作るときに使います
  • Rev Delay
    • 初期反射音からリバーブ音までのディレイタイム
    • 数式風(Initial Delay + Rev Delay = リバーブ音が出てくるまでの時間)
    • これまた後述のスーパーファミコンのような音場を作るときに使います。50ms-80msぐらいの曲が多いようです
  • Feedback Level
    • リバーブの場合はイニシアルディレイの繰り返しの量
    • これまた後述のスーパーファミコンのような音場を作るときに使います。ほとんどは+40程度でよい響きになります
    • 上手く響かない時は-40ぐらいに設定したり、値の増減をします

スーパーファミコンのディレイのような特殊な空間は以下のパラメータで作ります。 Diffusion0,Initial Delay0,Rev Delay 80.4ms,Density 0,E63>R,High Damp 1.0,FB Level -56から+56の間に設定します。曲によってはディレイタイムが短くなったり長くなったりしているようです。

全体EQの設定

特定の音域の音量を持ち上げて、音を整えるエフェクトです。中心周波数、Q値(狭さ)、Gain(量)を設定します。

5バンド(5つの周波数ポイント)を設定できます。本体パネルから周波数を変えることができないので、Gain(強さ)しか設定できないと思いがちですが、周波数もQ値(幅)も設定できます。

MUの音は全体的に高音域が良く出る傾向があるので、100-200-355(Hz)付近の低音域を重点的に補います。現代の音源ではEQは削る方に使うのが主流ですが、音の細いMUの場合は上げる方に使ってやる必要があります。

イコライザー(EQ)を設定するときは、以下の流れで調整しています。

  1. ゲイン(Gain)を+12(最大)か-12(最小)に設定
  2. 周波数(FREQUENCY)を60Hz辺りから少しづつ上げて良い感じのところを見つける
  3. 良い具合で鳴る周波数が無い場合は、Q値を設定。
  4. 適切なゲインの調整

EQ FREQUENCY1とEQ FREQUENCY5は、shelvingとpeakingを選ぶことができます。何かスッキリしないと思ったら、peakingに変えてみると劇的に良くなる場合があります。

Q値について、特に低域はQ1.0-1.4程度と狭く設定するとベース、キックがスッキリと収まることが多いです。1.0kHz以上の高域は0.5から試してみると上手くいく場合もあります。

設定できるパラメータは以下の通りです。詳細な設定はMU1000リストブックP.101です。

MU1000でのEQの設定例

MU1000でのEQの設定例

  • EQ GAIN(1-5)
    • EQの強さ
    • せいぜい+6ぐらいまでに設定することが多いです
    • +6以上大きくしないと変に感じる時は、たいてい中心周波数がおかしいです
  • EQ FREQUENCY(1-5)
    • EQの中心周波数
    • 先にも書きましたが、低音域を重点的に補います
    • 低域は100Hz、315Hz辺りを設定することが多いです
    • 高域は1.4kHz、2.8kHz、8kHz辺りを設定することが多いです
  • EQ Q(1-5)
    • EQの幅。値が大きくなるとEQの幅が狭くなっていきます
    • 具体的には、1=200(Hz)/300(Hz)-100(Hz)、1.4=280(Hz)/380(Hz)-180(Hz)といった感じです
    • 中心周波数/Q値/2+中心周波数=EQの幅の上端と覚えています
  • EQ SHAPE(1と5のみ)
    • 音域の両端からEQをかけるかどうか
    • 低域はpeakingの方が多いかもしれない
    • 高域はshelvingとpeakingは半々ぐらい
  • EQ TYPE(flat, jazz, pops, rock, classic)
    • 最終的にはほとんど使いません。
    • 各楽器の音量バランスが上手く採れない時に使うと便利です。5つのプリセット全てを試してみて、問題のある部分を探します。

音色EQの設定

調整方法は全体EQと同じような流れです。純粋に音色作りに使います。全体のバランスはあまり考えません。全く触らない場合もあります。ただし、音色EQにはQ値の設定がありません。詳細な説明はMU1000取扱説明書P.81です。

MU1000でのパートEQの設定例

MU1000でのパートEQの設定例。ピアノの低域と高域を持ち上げた。

  1. ゲイン(Gain)を+63(最大)か-64(最小)に設定
  2. 周波数(FREQUENCY)を60Hz(Low)、500Hz(High)辺りから少しづつ上げて良い感じのところを見つける
  3. 適切なゲインの調整

今までの経験では、Lowの1.0kHz-2.0kHz、Highの500Hz-1.6kHzも使っています。

ピアノ音色で多いのは中域が膨らみ過ぎるパターン。この場合は低域と高域を持ち上げて、音量を下げてやります。MUの音色EQは2ベンドなので直接中域を削る手段がありません。

ドラムではシンバルの低域を削る際、Lowを2.0kHzで-64と大胆に設定してやると上手くまとまる場合があります。もちろん、高域を持ち上げて、音量を下げるという手もアリです。

フィルターの設定

音を柔らかくこもらせたり(LPFをマイナス)、音を明るくしたり(LPFをプラス)、ミョンミョンクセを付けたり(LPFをマイナスしつつ、Resonanceをプラス)、低域をカットしたりする(HPF)設定です。

まずは全パートHPF Cutoffを+1に設定します。PC#50、065のStrings3のように、音色によって直流成分が出るものがあるためです。

PC・その他の話 73.02/03/30 MUの録音と直流除去(現在リンク切れ)

次はLPF Cutoff,LPF Resoを使って作っていきます。EQですべて設定したいところですが、MUの音色EQは2バンドで細かい設定ができません。ピアノやギターなどで意外とResoを+10程度まで上げて、LPFを-2程度に下げてやると混ざる音色や、ベロシティスイッチ(ある一定のベロシティで音色が切り替わる)ものがあるので、頭の片隅に置いておくと良いです。

設定できるパラメータは以下の通りです。詳細な説明はMU1000取扱説明書P.79です。

MU1000でのフィルタの設定例

  • HPF Cutoff
    • 低い音をカットします
    • 主な用途は出過ぎたキックの低音や、ディストーションギターの低音をカットすることです
    • 他の音に使ってもあまり良い効果が得られたことが無いです。
  • LPF Cutoff
    • 音色によって効いたり効かなかったりしますが、マイナス方向はこもった音に、プラス方向はキラキラした音になります。
    • プラス方向に振り切ることによって、減衰しなくなったりする音色もあります。
  • LPF Reso
    • マイナス方向は高域の角の取れた音に、プラス方向はミョーンとした癖のある音になります。
    • LPFの値によって大きく印象が変わるので、いろんな組み合わせを試します。
    • 音色の高域がツンツンするときは、マイナスに振りがちですが、プラスに振ってボリュームを下げてみると上手くいくこともあります。

ビブラートの設定

音を揺らす設定です。

基本的にModulationを使います。よく使うのは以下のパラメータです。詳細な設定はMU1000リストブックP.107です。

MU1000でのビブラートの設定例

MU1000でのビブラートの設定例。シンセ音で角が立つので、AC1で薄いビブラートをかけた。

  • Modulation
    • CC1のモジュレーションです。何かを揺らす命令です
    • シンセ音などで、ツンツン耳にくる場合は、12-20程度かけてやると、角が取れることがあります
  • Vibrato Rate
    • 揺れの速さを設定します。0-12ぐらいをよく使います
  • MW LFO PMOD DEPTH
    • ピッチ(音階)の揺れ幅を設定します。10-30ぐらいをよく使います
    • スペクトラムアナライザーで幅を見ると、耳コピのときも含めて分かりやすいです
  • MW LFO FMOD DEPTH
    • 音質の揺れ幅を設定します。ミョンミョンした音が作れます。LPFが揺れているものと考えるとよいです。10-30ぐらいをよく使います
    • このパラメータを設定すると、ストリングスとバイオリンのビブラートの違和感が消えることが多いです
  • MW LFO AMOD DEPTH
    • 音量の揺れ幅を設定します。10-30ぐらいをよく使います
    • このパラメータを設定すると、ストリングスとバイオリンのビブラートの違和感が消えることが多いです
  • MW AMPLITUDE CONTROL
    • ビブラート部分の音量を設定します
    • 若干マイナスにしてビブラートの違和感を消したり、LOW PASS FILTER CONTROLで減った音量感をカバーしたりします
  • MW LOW PASS FILTER CONTROL
    • ビブラート部分のLOW PASS FILTERを設定します
    • 若干マイナスにすると、トランペットがそれっぽく鳴ってくれるようになります

コントロールチェンジとNRPNにもビブラートの設定がありますが、1でも揺れ幅が深すぎたりと使いづらいので、基本的にはモジュレーションを使います。

曲中ずっとかけっぱなしにしたい場合は、AC1などのLFOを活用すると、データの見通しが良くなります。

インサーションエフェクト

MU1000では4つ使えます。使う際に注意点が二つあります。

一つはディストーションやオーバードライブを使った場合、インサーションエフェクトの設定でボリュームを調整しないと、音質が変質してしまう点です。

もう一つは、ドラムにインサーションエフェクトを使用した場合、NRPNで個々のリバーブ量を調整していたとしても、インサーションがかかった後にReverb、Chorus、Variationに送られ、打楽器個々のリバーブ量の調整が出来ません。よくあるので後述していますが、キックとスネアは別のパートに別のコンプレッサーをかけないと、リバーブ量の調整は出来ません。

コンプレッサー

一番よく使うインサーションエフェクトはキックとスネアにコンプレッサーです。前述しましたが、キックとスネアは別パートに打ち込み、それぞれ別のコンプレッサーをかけます。

設定できるパラメータは以下の通りです。詳細な設定はMU1000リストブックP.70です。

MU1000でのコンプレッサーの設定例

MU1000でのコンプレッサーの設定例。キックの音作り。

  • Attack
    • コンプレッサーを効かせるまでの時間。長いほど素の音色のアタック音が目立つようになります
    • キックとスネアだとほとんど1-4(ms)ぐらいに設定します
    • Thresholdを-45程度に設定すると、どこから切り替わっているのか分かりやすいです
  • Relese
    • コンプレッサーが効かなくなるまでの時間。長いほど音色が早く減衰するように感じます
    • キックだと55(ms)ぐらい、スネアだと10(ms)のぐらいです。初期値は75(ms)
  • Threshold
    • コンプレッサーが効くようになる入力レベル。マイナス値が大きいほど効きが強くなります
    • キックもスネアも-23から-48ぐらいまで幅広く使います。効きを強くすると、他の音に埋もれやすくなったり、音が後ろに行く傾向があるようです
    • -40より強くしていくと、Output Levelを上げても音量が全然上がらなくなるので少し困ることがあります
  • Ratio
    • コンプレッサーの圧縮比
    • キックもスネアも1.5-5ぐらいまでをよく使います
    • 2ぐらいから音が潰れて前に出なくなります
  • Output Level
    • 音量レベル。弄らずにパートボリューム(CC7)で処理するのが基本
    • Thresholdをきつくかけ過ぎた場合で、音量が上がらない場合に使います

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