エアコンのフィルタ自動お掃除機能はメンテナンスフリーではない

フィルタ自動お掃除機能付きで長期間放置した場合の事例。完全に目が詰まっている。

フィルタ自動お掃除機能付きで長期間放置した場合の事例。目が詰まっている。Panasonic CS-25GAE4-W(CS-X256A、CS-25RFXと同等モデル?)

フィルタ自動お掃除機能付きのエアコンでも、少なくとも暖房、冷房シーズンの前にはフィルタを掃除した方が良いです。特にキッチン、リビングなどの油汚れしやすいところ、喫煙している場合は、水洗いでの掃除をメーカーもすすめています。

決してメンテナンスフリーではありません。

エアコン フィルターのお手入れ方法(パネルの取りはずし・取り付け方法):シャープ

お手入れのめやす
フィルター自動掃除運転を使用している場合・・シーズンに1回は、フィルターの汚れを確認してください。
フィルター自動掃除運転をしていても、使用状態や環境により、汚れ(油、たばこのヤニ等)が取れないことがあります。
シーズンに1回は、エアフィルターを取りはずして汚れ具合を確認し、汚れている場合は掃除をしてください。
フィルター自動掃除運転を使用していない場合・・2週間に1度掃除をしてください。

フィルターお掃除ロボット

※フィルターの掃除は自動で行いますが、ホコリや油汚れが多い環境で使用になる時は、取り外して水洗い等をおすすめします。

フィルタ表面に油汚れなどが付着すると、ホコリが取れにくくなり、さらにそこにブラシで掃いたホコリがたまって「裏ごし」したようになったと考えられる事例がありました。この事例では、かなり冷暖房の効きが悪くなっていました。

現在のフィルタ自動お掃除機能は、ブラシでフィルタ表面のホコリを掃き、ダストボックスの中に入れるか屋外に排出する仕組みのようです。自動お掃除がどのような方式であっても、100%ホコリが取り切れるわけではありませんし、いつまでもダストボックスにホコリをため込んでおくのもあまり気分の良いものではないと思いますので、冷暖房シーズンごとにフィルターとダストボックスの中身を掃除するとよいと思います。

新しくエアコンを買う時は、フィルタ自動お掃除機能は、自分でするフィルタ掃除を2週間に一回からシーズンに一回にしてくれる、アシスト機能と考えておく方が無難です。

自動お掃除付きエアコンのメリットとデメリットをまとめておきました。

  • メリット
    • 自分でするフィルタ掃除を2週間に一回からシーズンに一回にしてくれる
  • デメリット
    • 自動お掃除の機構が組み込まれた室内機は、機構が無いものと比べて約60~100mm奥行きが大きくなる(部屋にせり出す)
      • 2014-15年三菱電機の例:MSZ-P224 232mm、MSZ-M224 298mm、MSZ-ZW225 353mm
    • 同じ省エネ性能でも本体価格が高価になる
    • エアコンクリーニングをしたい場合に、自動お掃除付きは料金が高くなる
    • 自動お掃除の動作音
      • 機能をオフ、おやすみタイマーを使うなどで動かなくすることは出来ますが、せっかくの自動お掃除機能を潰してしまいます。

エアコンのカビ防止は冷房後送風すると良い

エアコンの冷房運転後、1~2時間程度送風運転をしておくと、内部のカビが繁殖しづらくなります。また、翌日の冷房運転開始時のニオイが少し減りました。

カビが生える原因は、冷房時内部に付着する水が大きな原因です。すなわち、暖房運転では発生しづらいということです。

エアコン内部のカビ繁殖防止には、内部から湿気を逃がす必要があります。送風して湿気を逃がしたり、さらに弱く暖房して効果を上げたりという挙動をメーカー各社取っています。

送風はエアコン内部にあった湿気が部屋に出てくる。弱い暖房は、部屋が暑くなるという欠点があります。どちらが良いかとやってみると、送風ならジメジメするものの暑いとは体感せず、弱い暖房だと暑いと感じたので、送風を利用しています。

既に内部にカビが生えている場合でも、乾燥運転によって症状がある程度軽減されると考え調べたところ、臭気の研究30巻pp.268-278(1999)より調査例4:カビ汚染という記述が見つかり、確かに効果があるようです。このページは引用部分以外も非常に参考になります。

エアコンは1991年5月に使いはじめ、1996年までは2台とも夏は昼夜連続で冷房運転をしていた。(中略)1995年の夏にカビ汚染が進行した。1996年にはさらに汚染が拡大し、内部も吹き出し口もカビで真っ黒の状態で、室内に入るとアレルギー症状(なみだ目と鼻水)を示す研究員が現れた。

そこで1997年以降、エアコン内部の間欠的な乾燥を図った。(中略)連続で冷房していた1996年までは毎年エアコンの吹き出し口でカビ指数が検出されたが、毎日18時間冷房・6時間送風で、冷房と送風を交互に入れた1997年以後は検出されなくなった。(中略)1997年以降、目に見える汚染状態は前と変わらず真っ黒のままであるが、エアコンから放出されたカビ数も室内空気中のカビ数も大幅に減少し、研究員のアレルギー症状は現れなくなった。エアコンのカビ汚染がすでに目に見える状態になった後でも、間欠的な乾燥で対応可能であった。

今後は、カビ抑制プログラムの組み込んであるエアコンが製造されることを希望する。送風乾燥でも加熱乾燥でも、プログラムだけの話でコスト上昇にはならないので、すぐにでもできるはずである。

臭気の研究30巻pp.268-278(1999)より調査例4:カビ汚染 4-2 カビ汚染されたエアコンでのカビ防止

カビ抑制プログラムは現在発売されている家庭向けエアコンのほとんどに内蔵されています。

各社の一番廉価な機種のカビ防止挙動を調べてみました。上位の機種はリモコンに送風運転モードがあったり、工場出荷時の設定、内部クリーンの挙動も違う可能性が大いにありますので、それぞれの説明書をご覧ください。

三菱電機 MSZ-GM223 取扱説明書 P.14 内部クリーン運転

  • 内部クリーン運転では、エアコンの内部を乾燥させるため最大10分間の弱暖房運転を行います。そのときお部屋の温度が約2~3℃上がることや、お部屋の湿度が上がることがあります。
  • 冷房・除湿運転(切タイマー設定時含む)送風運転(約25分間)弱暖房運転(最大10分間)送風運転(約1分間) 自動停止 停止(約3分間)
    • 弱暖房運転です。手動で送風運転することもできます。

富士通ゼネラル AS-J22C 取扱説明書 P.7 [8]内部クリーン運転

  • 冷房・除湿運転を約 10 分以上行うと、室内ユニット内部が結露します。内部クリーン運転は、この結露をとるために行います。
  • 内部クリーン運転は、送風運転と微弱暖房運転を行いますので、室内温度・湿度が若干上昇することがあります。
    • 弱暖房運転です。手動で送風運転することもできます。

ダイキン AN22PES-W 取扱説明書 P.11 内部クリーンについて

  • 送風運転と暖房運転でエアコン内部を乾燥させます
  • 屋外温度が24度以上または室内温度が高くなったときは、暖房運転を行いません
    • 弱暖房運転です。手動で送風運転することもできません。

日立RAS-AS22C 取扱説明書P.14 内部クリーン運転機能より

  • 内部クリーン運転は、暖房運転・送風運転を行い、室外機のカビの発生を抑制します。
  • 予約をしますと冷房除湿運転終了後に約60分間運転します
  • 外気温が高い場合は暖房運転が送風運転になることがあります。
    • 弱暖房運転です。手動で送風運転することもできません。

Panasonic CS-F223C 取扱説明書P.11 本体内部のカビ繁殖を防止したいとき

  • 冷房または除湿を30分以上運転したとき、室内ユニット内部を自動で乾燥します。(除湿は室温16度以上で運転したときのみ)
  • 運転停止後、内部乾燥ランプが点灯、上下風向ルーバーを閉じたまま内部乾燥運転(送風→暖房→送風)をします。最長90分間運転後、自動で停止します。
    • 弱暖房運転です。手動で送風運転することもできません。

三菱重工 SRK22TP 取扱説明書 P.18 内部クリーン運転

  • 内部クリーン運転は運転ランプを点灯し,フラップを閉じた状態で室内ファンを約2時間運転します。
    • 弱暖房は無く、送風運転のみのようです。

東芝 RAS-221EP 取扱説明書 P.15 クリーニングについて

  • 冷房またはドライモードで約10分運転した後に運転を停止すると自動でクリーニングをはじめ、時間が経過すると自動的にクリーニングを停止します。
  • 10分以上1時間未満:クリーニング時間2時間
  • 1時間以上:クリーニング時間4時間
  • クリーニングの電気代は、1回あたり約1円です(22円/kWh)
    • 弱暖房は無く、送風運転のみのようです

シャープ AY-C22SD-w 取扱説明書 P.7 内部清浄

  • 手動運転 約40分間
  • 自動運転よりも念入りな運転をします。長期間使わないときのお手入れなどに使用してください。
  • 室内機内部にプラズマクラスターイオンを送ると同時に、吹出口周辺と室内機内部を送風、または暖房運転で乾燥し、カビの発生を抑制します。(外気温が24℃以上のときは送風運転、24℃未満のときは暖房運転で乾燥します)
  • 自動運転 約30分間
  • お買いあげ時は、冷房・暖房・除湿・プラズマクラスターイオンの停止毎に働く自動運転「入」に設定されています。
  • プラズマクラスターイオンを送ると同時に、吹出口周辺を送風運転で乾燥し、カビの発生を抑制します。
    • 手動時は弱暖房、自動時は送風のみのようです。
    • プラズマクラスターイオンで送風運転ができるので、オフタイマーと併用して、手動で乾燥運転させることがきるようです。

三菱電機 製品登録サービスNEWS:ナースコール

  • エアコンのニオイは内部に付着したカビなどが原因
  • カビ繁殖を防ぐには冷房後2時間程度の送風運転を!

余談:説明書の文書をコピー&ペーストできるのは、三菱電機、三菱重工、シャープ、富士通ゼネラルのようです。面倒なので、PDFファイルのコピー不可のフラグは外してほしいなと思いました。

最近の省エネエアコンの室外機がウルサイのは仕様

最近のエアコンは非常に省エネで、買い換えると目に見えて消費電力量が減って大変素晴らしいです。

しかしながら、室外機の騒音が10年前のエアコンと比べて、うるさくなっています。以下はメーカー説明書から見た一例です。

  • 三菱重工 SRC259R 冷房38dB 暖房40dB
  • パナソニック CU-V259A 冷房46dB 暖房46dB

6~8dB音響レベルが上昇していることが分かります。騒音対策では、「音が10dB減衰してはじめて感覚的に半分になる」とのことです。

なぜうるさくなったのかを調べてみたところ、エアコンに欠かせない部品であるコンプレッサーの種類が変わっていたためでした。なお、多くの機種で暖房時に数値が上昇するのは、コンプレッサーの回転数が高くなっているためと考えられます。

先に例に挙げた三菱重工のエアコンはスクロールコンプレッサーを採用しています。スクロールコンプレッサーは高価ですが、振動、騒音が少ないことが特徴のようです。あくまで個人的な主観となりますが、スクロールコンプレッサーは、ロータリーコンプレッサーと比べて、遮蔽しづらい低域の音(低周波音)が少なく、そのためか共振も少なく、より静かに聞こえる傾向があります。

現在の省エネエアコンは安価で振動、騒音の大きいロータリーコンプレッサーを採用した機種がほとんどとなっています。メーカーも弱点は認識していて、ツインロータリーコンプレッサーや、スイングコンプレッサーといった、改良品も出ているようです。

騒音問題、特に低周波音は隣人の苦情として裁判にまでなることがあります。周りの環境によっても音の大小が大きく変わったりするので、修理ではなかなか改善しないようです。

エアコンだけでなく、同じコンプレッサーを使った製品であるエコキュート、床暖房、エネファームについても、見過ごされがちな低騒音、低振動、低周波音対策に期待したいところです。